しかし、しかしですね、柚葉様……貴女のその格好は……………
着ぐるみですか?
いろんな意味で止めてください………
白をベースに黒の斑模様が入り、頭にはナイトキャップの様な帽子がついていて、そこから黄色い角が生えています。
まぁ、いわゆる牛ですね。
冬にはさぞや暖かいでしょう。
似合わない事はないですよ?
ええ、柚葉様の美貌であれば、例え、全身タイツでもお似合いになる事でしょう。
芙蓉様も嬉しそうに微笑む……かどうかは分かりませんが、どのような柚葉様でもあの方は受け入れるでしょう。
恋や愛が分からなくなる一瞬です。
私も精進せねばなりませんね。
はぁ……全く………この方々に付き合っていたら、食事の用意が出来ません。
さっさと台所へ行って鍵でも締めてしまいましょう。
ええ、是非そうするべきですね。
「ん〜〜冬馬ちゃん、すっごく美味しい!」
「本当に。冬馬は料理上手だね」
鳥をベースにしたスープを召し上がりながら、幸せそうに微笑んでくださる柚葉様のお言葉に、私を含めた四人の主、巽芙蓉(たつみふよう)様も頷いてくださいます。
とても光栄でございます。
「冬馬ちゃん良いお嫁さんになれるね〜」
…………………柚葉様、それは喜べません。
芙蓉様でしたら、柚葉様にそのように言って頂ければお喜びになられるでしょう。
しかし、私は花嫁希望ではありませんので、喜べません。
一応、花婿希望のつもりです。
一瞬、凍結した思考回路。
誰が私を責める事が出来ましょうか?
誰も出来ませんよね?
私の内面の葛藤などものともせず、朝食は終わりを告げます。
さぁ、今から片付けです。
昼食は何にしましょうか?
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本日の昼食はパンにさせていただきました。
フランスパンにご自身で具を挟んで召し上がっていただくのです。
もちろん、パンも自家製です。
こういうものは一から作りたい性分ですから。
芙蓉様にも柚葉様にも喜んでいただけて私もお作りする甲斐があります。
「具挟むの面倒くせぇな」
「ウチの好きなのあらへんし……」
例の二人が何やら言ってますが、そんな事は知りません。
芙蓉様や柚葉様がお好きな物はご用意させていただきましたが……
二人の要望を聞いていると、材料など、何もかもが足りなくなります。
大食いですから。
あぁ、また柚葉様はあまり召し上がらないのですね。